「肩がこったら、とりあえず湿布」。そう決めている方は多いのではないでしょうか。
出雲市の鍼灸院・山岡鍼灸院、院長の古瀬です。湿布は手軽で、つらいときの心強い味方です。ただ、施術の現場でお話をうかがっていると、湿布についてちょっとした思い込みをお持ちの方が少なくありません。
今回は、よく耳にする4つの思い込みを取り上げて、「実際はどうなのか」を順番にお話しします。湿布をやめましょう、というお話ではありません。上手に付き合うためのヒントとしてお読みください。
先に確認を。湿布で様子を見ないでほしいとき
次のような場合は、湿布で様子を見るより先に、医療機関へご相談ください。
- 腕や手がしびれる、力が入りにくい
- 胸の痛みや息苦しさと一緒に、肩や背中が痛む
- 転んだりぶつけたりしたあとから痛む
- 熱がある、夜も眠れないほど痛む
- 日ごとに痛みが強くなっている
思い込み1|「湿布を貼れば、こりの元から消える」
湿布は、貼ったところの痛みやつらさをやわらげる手助けをするものです。こりそのものをつくっている原因を取りのぞく道具ではありません。
肩こりの背景には、長時間同じ姿勢でいること、画面をのぞきこむクセ、体の緊張、冷えなど、いくつものことが重なっていると言われています。湿布でつらさが軽くなっても、その背景が変わらなければ、また同じようにこってくる。「貼るとその日は楽だけど、すぐ戻る」と感じる方が多いのは、このためだと考えられます。
思い込み2|「冷湿布は冷やす、温湿布は温める」
名前から、冷湿布は肩を冷やし、温湿布は肩を温めていると思われがちです。けれども、ひんやり・ぽかぽかは、主に肌が感じる刺激によるもので、体の奥の温度を大きく変えているわけではないと言われています。
一般には、ぶつけた直後や急な痛みにはひんやりタイプ、長く続くこりにはぽかぽかタイプが目安とされます。ただ、どちらが合うかは人によって違います。迷ったときは、薬局の薬剤師さんに今の状態を伝えて相談するのがいちばん確実です。
思い込み3|「効いている気がするから、貼りっぱなしでいい」
長い時間貼り続けると、肌が赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。箱に書かれている貼る時間や回数の目安は、きちんと守ってください。
また、湿布の種類によっては、はがしたあとも貼っていた場所に日光が当たるとかぶれやすくなるものがあるとされています。夏場や外で作業をする方は、説明書をよく読むか、薬剤師さんに確認しておくと安心です。ぽかぽかタイプは、お風呂の前後に貼ると肌がヒリヒリしやすいので、時間をあけましょう。
思い込み4|「こっている場所に貼るのが正解」
つらい場所に貼るのは自然なことですし、それで楽になるなら十分です。ただ、臨床の現場では、つらさを感じる場所と、こりを生んでいる場所がずれていると感じることがよくあります。
たとえば、肩がつらいとおっしゃる方の背中や腕、さらにはお腹を触ってみると、そちらのほうが固くなっていることがあります。肩はいわば「結果」で、ほかの場所の動きの悪さを肩がかばっている。そう考えると、いくら肩に貼っても戻ってしまう理由が見えてきます。肩こりと全身のつながりについては、肩こり・首のこりがなかなか取れない理由の記事でもくわしくお話ししています。
湿布と一緒に、今日からできること
1時間に1回、肩甲骨を回す
両手の指先を肩にのせ、ひじで大きな円をかくように、前回し・後ろ回しを5回ずつ。肩甲骨が背中の上ですべるように動く感じがあれば十分です。
画面の高さを見直す
パソコンやスマホの画面が目より低いと、頭が前に出て首と肩に負担がかかりやすくなります。スマホは胸の高さまで持ち上げる、パソコンの下に台を置くなど、小さな工夫から試してみてください。
首まわりを冷やさない
エアコンの風が首に当たる場所では、薄いストールを一枚。夜は蒸しタオルで首の後ろを温めるのもおすすめです。
当院の考え方
当院の整動鍼®は、体の動きのつながりに注目して、少ない鍼で全体のバランスを整えることを大切にしている手法です。肩こりでお越しの方にも、肩だけでなく背中や腕の動きを確かめるところから始めます。
あわせて、お腹に手を当てる腹診で、お腹の緊張の具合もみていきます。お腹がこわばっている方は、呼吸が浅くなり、肩に力が入りやすい傾向を感じます。腹診については「お腹を触って、何がわかるんですか?」の記事でご紹介しています。体の感じ方の変化には個人差がありますが、こりをくり返しにくい体づくりのお手伝いができればと考えています。肩こりの施術については肩こり・首こりの鍼灸のページもご覧ください。
まとめ
国の調査でも、肩こりは男女とも腰痛に次いで多い体の悩みです。それだけ身近だからこそ、湿布は「つらさをやわらげる手助け」と割り切って上手に使い、こりが生まれる背景にも少しだけ目を向けてみてください。1時間に1回の肩回しからでも、体は応えてくれるはずです。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅲ 世帯員の健康状況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/04.pdf
※本記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。
