出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。
「なんだか息が浅い気がする」「深呼吸をしても、吸いきれた感じがしない」。最近、そんなご相談をいただくことが増えてきました。はっきりした痛みがあるわけではないぶん、周りに話しにくく、ひとりで気にし続けている方も多いのではないでしょうか。今回は、この「呼吸の浅さ」について、体とこころの両面から考えてみます。
検査では「異常なし」。でも、息がしづらい
呼吸のしづらさが続くと、まず心配になるのは肺や心臓のことだと思います。実際に呼吸器内科や循環器内科で検査を受け、「特に異常は見つかりませんでした」と言われる方も少なくありません。
ひと安心の結果ではあるものの、ご本人の「吸いにくい」という感覚は残ったまま。原因がわからないことが、かえって不安を大きくしてしまうこともあります。まずは医療機関で大きな病気がないかを確かめておくことが大切で、そのうえで「体の使い方」や「緊張のクセ」に目を向けてみる、という順番がおすすめです。
呼吸の浅さの背景にあるもの
はっきりした原因が見つからない呼吸の浅さには、いくつかの要素が重なっていることが多いといわれています。
自律神経の切り替えがうまくいかない
呼吸は、意識しなくても続いている体のはたらきです。その調整には自律神経が関わっていて、ストレスや緊張が長く続くと、体が「がんばるモード」のまま戻りにくくなります。すると呼吸も速く、浅くなりやすいと考えられています。自律神経の乱れについては自律神経の不調のページでもくわしくご紹介しています。
背中・胸まわり・首のこわばり
息を吸うとき、肋骨は少しずつ広がり、横隔膜は下へ動きます。ところが背中や胸、首のまわりの筋肉がこわばっていると、この動きが小さくなり、吸える量そのものが減ったように感じやすくなります。
姿勢と日々のクセ
- 長時間のデスクワークで前かがみが続く
- スマートフォンをのぞき込む時間が長い
- 肩に力が入ったまま過ごしている
こうした姿勢が続くと胸がすぼまり、お腹まわりも固まりやすくなります。胃腸の重さと呼吸の浅さが同時に気になる方もいて、機能性ディスペプシア(胃の不調)のご相談の中でも、呼吸の話題が出ることはよくあります。
浅い呼吸が続くと、日常にも影響が出やすい
呼吸が浅い状態が長引くと、疲れやすさや集中しにくさ、なんとなく落ち着かない感じにつながることがあります。息苦しさから不安が強まり、急な動悸をともなう方もいます。そうした場合はパニック症状・不安感のページも参考にしてみてください。
「気のせいかな」と片づけてしまいがちですが、体からの小さなサインとして受け止めてあげることが、ご自身をいたわる第一歩になります。
鍼灸で大切にしている考え方
当院では、呼吸のしづらさを「肺だけの問題」としてではなく、全身のつながりの中でとらえるようにしています。臨床歴7年・延べ10,000件超の中で感じてきたのは、呼吸の浅さを訴える方の多くが、背中や首、お腹まわりに緊張を抱えているということです。
- 背中・肋骨・首まわりの動きを引き出すこと
- 緊張しやすい自律神経のバランスに目を向けること
- 整動鍼®で、少ない鍼で体の動きのつながりにはたらきかけること
こうしたアプローチによって、体がゆるみ、呼吸にゆとりを感じやすくなることが期待できます。感じ方には個人差がありますので、ご自身のペースで向き合っていただければと思います。
今日からできる小さな工夫
- 1時間に一度、肩をすくめてストンと落とし、力を抜く
- 息を吸うことより、ゆっくり長く吐くことを意識する
- スマートフォンは目の高さに近づけて、胸をすぼめない
どれも数十秒でできることばかりです。「やらなきゃ」と思わず、思い出したときに試してみてください。続けにくい日があっても大丈夫です。
もし「この息の浅さ、少し相談してみたいな」と思ったときに、この記事のことを思い出していただけたらうれしいです。無理のない範囲で、気になったときにお声がけください。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。

