出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。生理が近づくと、いつもなら気にならないひと言にイライラしてしまう。理由もなく気持ちが沈む。あとから「なんであんな言い方をしたんだろう」と自分を責めてしまう。そんな毎月をくり返している方は、少なくありません。
「性格の問題かな」「みんな我慢しているのだから」と抱え込みがちですが、そのつらさには体の変化が関わっている場合があります。今回は、PMS(月経前症候群)と自律神経の関係、そして鍼灸という選択肢について、落ち着いてお話しします。
PMS(月経前症候群)とは
PMSは、生理の始まる3〜10日ほど前から心や体に不調があらわれ、生理が始まると軽くなっていく状態をいいます。あらわれ方は人によってさまざまで、たとえば次のようなものがあります。
- 気分の落ち込み、イライラ、人にあたってしまう
- 頭痛、むくみ、胸の張り
- 強い眠気、だるさ
同じ方でも、月によって出方や強さが変わることがあります。「先月は平気だったのに」と戸惑うのも、珍しいことではありません。
背景にあるといわれるもの
女性ホルモンの変動
PMSの原因ははっきりとは解明されていませんが、排卵のあとに起こる女性ホルモンの大きな変動が関わっていると考えられています。意思の強さや気持ちの持ち方だけで、どうにかできるものではありません。
自律神経の乱れ
ホルモンの調整と、呼吸や血流、消化などを担う自律神経は、どちらも脳の近い場所でコントロールされています。そのため、ホルモンが揺れる時期は自律神経の働きも影響を受けやすいといわれています。気分の波に加えて、自律神経の不調に似た症状や胃腸の不調が重なる方もいます。
血流の滞りとストレスの蓄積
冷えや運動不足で血のめぐりが滞ること、仕事や家庭のストレス、睡眠不足が続くことも、つらさを強める要因になると考えられています。毎月の頭痛に悩んでいる方は、生理の周期と照らし合わせてみると、気づくことがあるかもしれません。
まず試しやすい、毎日の小さな工夫
すべてを完璧にこなす必要はありません。できそうなものを一つ選ぶくらいで十分です。
- スマホのアプリや手帳に、不調が出た日と生理の日を記録する
- つらくなりやすい時期には、大事な予定や無理な約束を詰め込みすぎない
- 睡眠時間を確保し、お腹や足首を冷やさないようにする
- 散歩など、軽く体を動かす時間をつくる
記録が数か月分たまると、「そろそろ来るな」と見通しが立つようになります。先がわかるだけでも、気持ちの負担が軽くなることがあります。
鍼灸ではどう向き合うのか
鍼灸は、PMSの原因そのものを取り除くものではありません。当院では、自律神経のバランスや全身の血流に着目し、整動鍼®で少ない鍼で対応しています。手足やお腹のツボも使いながら、体がゆるみやすい状態を目指します。
これまで臨床歴7年・延べ10,000件超の施術に携わるなかで感じるのは、体の不調は一か所だけの問題ではなく、睡眠や胃腸の調子、緊張の抜けにくさなどと結びついていることが多い、ということです。そのため、生理前のつらさだけでなく、日ごろの暮らしや体調もあわせて伺います。感じ方や変化には個人差がありますので、ご自身のペースで考えていただければと思います。生理との日程の兼ね合いが気になる方は、生理中の鍼灸についての記事も参考にしてください。
婦人科への相談もひとつの選択肢です
PMSには、婦人科で相談できる薬物療法などの方法があります。また、似た症状が別の病気から起きていることもあります。仕事や人間関係に支障が出るほどつらいとき、気分の落ち込みが強いときは、がまんせず婦人科や心療内科などの医療機関にご相談ください。鍼灸は、そうした受診と並行して考えることもできます。
「つらいのは当たり前」と思い込まなくても大丈夫です。今すぐ何かを決める必要はありません。「そういえば、あの記事に書いてあったな」と思い出したときに、気になる方は無理のない範囲で声をかけてください。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。

