出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。はじめて鍼灸院に足を運ぶとき、「少し緊張するな」「何をされるんだろう」と身構えてしまう方は、決して少なくありません。当院では、鍼やお灸の技術と同じくらい、院内の空間そのものを大切にしています。今回は、その理由についてお話しさせてください。
緊張したままでは、身体もゆるみにくい
臨床歴7年の中で繰り返し感じてきたのは、身体は気持ちの状態をそのまま映しやすい、ということです。肩に力が入ったまま施術台に横になっていただいても、身体の側だけが先にゆるむということは、なかなか起こりにくいように思います。
とくに自律神経の乱れを感じている方は、日常のなかでずっと気を張り続けていることが多いものです。だからこそ、施術がはじまる前の段階から、少しずつ力が抜けていけるような場であることを大事にしています。
和室と、山あいの音に包まれて
畳の部屋でお迎えしています
当院の施術は、畳敷きの和室で行っています。足を踏み入れた瞬間に、ふっと肩の力が抜けるような、どこか懐かしさのある空間です。特別なしつらえがあるわけではありませんが、その「なんでもなさ」こそが、気を遣わずに過ごしていただける理由なのかもしれません。
窓の外から届く、小さな音
院の周囲には山が広がっていて、窓を開けると小鳥の声が聞こえてくることもあります。静かな空気のなかで、意識せず自然の音に耳を傾けているうちに、「呼吸が深くなった気がする」とおっしゃる方もいらっしゃいます。感じ方には個人差がありますが、環境が身体に働きかけてくれる部分は確かにあるように思っています。
香りが、深呼吸をそっと後押しする
玄関では、やわらかなお香の香りでお迎えしています。施術室では、気持ちがゆるみやすいアロマの香りを選んでご用意しています。
香りというのは不思議なもので、「深呼吸をしよう」と意識しなくても、自然と息が長く吐けていることがあります。呼吸が変われば、身体の緊張もほどけやすくなる。そんな流れを、香りにそっと手伝ってもらっているような感覚です。
会話のない時間も、施術の一部です
施術中は、その方の「今の気分」を何よりも大切にしています。静かに過ごしたい日はそのままゆったりと、お話ししたい気持ちの日はしっかりと耳を傾ける。どちらが正しいということはありません。
「何か話さなければ」と気を遣うことも、「沈黙が気まずい」と感じることもなく過ごしていただけたら。その日の気分にちょうど合う時間の流れを、一緒に探すようなつもりでいます。
「今から◯◯しますね」の一言
背中側に回るときや、身体に触れるときには、必ず「今から◯◯しますね」とお声をかけるようにしています。たった一言ですが、「何をされるかわからない」という不安が、それだけで軽くなることがあります。細やかな気配りの積み重ねが、安心につながる一歩になると感じています。
帰り道の時間まで、ふくめて考える
施術が終わったあと、すぐに立ち上がって慌ただしく出ていかれる方もいらっしゃいますが、可能であれば少しだけ、身体の感じを確かめる時間を取っていただけたらと思っています。ゆるんだ状態のまま静かに座っているだけでも、そのときの感覚を覚えておきやすくなるように感じます。
院を出てからの帰り道、いつもより景色が目に入ってきたり、足取りが軽く感じられたり。そうした小さな変化に気づけることが、ご自身の体調と付き合っていくうえでの手がかりになることもあります。施術の時間だけで区切らず、その前後もふくめて整えていく。そんなイメージで日々お迎えしています。
空間も、気持ちも、まとめて整えるつもりで
当院では整動鍼®を用い、少ない鍼で身体全体のバランスに働きかける施術を行っています。あわせて腹診でお腹の状態を確かめながら、おなかの不調や、緊張が強いときに出やすい動悸・不安などのお悩みに向き合っています。
ただ、施術だけで完結するものではないとも思っています。「ここに来ると、なぜか呼吸が深くなる」。そんなふうに感じていただける場所を、これからも少しずつ育てていけたらと考えています。気になる方は、無理のない範囲でお声がけください。
※本記事は一般的な健康情報および当院の考え方の紹介を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。
