「なんとなく良くなった気がするけれど、これって本当に効いているのかな」。はじめて鍼を受けられた方から、こうしたご質問をいただくことがあります。出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。患者さんからいただくご質問にお答えしているシリーズの第27回です。
「効いているか分からない」と感じるのは、自然なことです
鍼灸は、薬のように飲んだ量が目に見えるわけでも、検査の数値がその場で出るわけでもありません。ですから「効いているのかどうか分からない」と感じられるのは、とても自然なことだと思います。
ただ、実際には施術のその場で確かめられる変化も少なくありません。私自身、鍼を置いたあとに体の状態を確認しながら進めています。
施術中に確かめている、3つの変化
私が施術の前後で目安にしているのは、主に次の3つです。
1. 動かしたときの軽さ
施術の前に、肩を回す、体をひねる、前にかがむといった動きを実際にしていただきます。そのうえで鍼を置き、もう一度同じ動きを試していただくと、「さっきより動かしやすい」と感じられることがあります。ご本人にも分かりやすい変化です。
2. 押したときの感じ方
施術前に押すと痛みや重さを感じていた場所が、施術後には同じ強さで押しても感じ方が変わっていることがあります。どこにどう鍼を置くかは、その日の体の状態によって変わりますので、この確認は毎回行っています。
3. 体のこわばり具合
お腹や背中に手を当てて、張りやこわばりの具合をみます。当院ではお腹を触って体の状態をみる「腹診」を大切にしており、施術の前後で手ざわりが変わることがあります。
ご自身では気づきにくい変化もあります
一方で、受けている方が感じ取りにくい変化もあります。呼吸の深さや、力の抜け方などは、ご本人よりも触れている側のほうが先に気づくことがあります。鍼を置いたあとに少し動かす手順にも、その手ごたえを確かめるという意図があります。
施術中に「ズーン」と重く広がるような「響き」と呼ばれる感覚が出る方もいらっしゃいますが、これも感じ方には個人差があります。何も感じないまま終わる方もおられますので、感覚の有無だけで判断する必要はありません。
その日のうちに分かるとは限りません
変化の出方には個人差があり、翌日になってから「そういえば楽だった」と気づかれる方もいらっしゃいます。ですから、施術直後に大きな変化を感じられなかったとしても、それだけで合わなかったと考える必要はないと思っています。
どのくらいの間隔で受けるとよいかについては、通院ペースの考え方でもお話ししています。はじめての方は、当日の流れとあわせてご覧いただくと、全体像がつかみやすいかもしれません。
見ているのは、その日の体の反応です
臨床歴7年・延べ10,000件超の施術に携わるなかで感じるのは、「効いているかどうか」は数字ではなく、その日の体が示す反応の積み重ねで見ていくものだということです。私が「治す」ではなく「整える」という考え方を大切にしているのも、ここにつながっています。
当院には、過敏性腸症候群(IBS)や機能性ディスペプシアといったお腹の不調、自律神経の乱れでお悩みの方が多く来られます。検査では異常が見つからなかったという方も少なくありません。こうした不調は日によって波があるため、その日の反応をみながら加減することを大切にしています。
気になることがあれば、施術中でも遠慮なくお声がけください。いますぐ受けにいらっしゃらなくても構いません。鍼灸を受ける機会があったときに、「変化はこんなところで見ているのだったな」と思い出していただけたら、それだけでうれしく思います。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
元記事:noteで読む
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。
