「妊娠中でも鍼を受けて大丈夫なんですか?」——先日、妊娠中の方からこんなご相談をいただきました。出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。
妊娠中は、これまで平気だったことにも慎重になる時期です。「体にいいと聞いたけれど、赤ちゃんに何かあったら」と迷われるお気持ちは、とてもよくわかります。この記事では、妊娠中の鍼灸について、当院がどのように考え、どんな配慮をしているのかをお伝えします。
結論:妊娠中でも受けていただけます。ただし「配慮ありき」です
先に結論からお伝えすると、妊娠中の方にも鍼灸は受けていただけます。ただしそれは「妊娠していない方と同じ施術をする」という意味ではありません。体勢・刺激の強さ・その日の体調・妊娠週数、そのすべてに合わせて内容を組み立てることが前提になります。
当院は胃腸と自律神経を専門としており、少ない鍼で体の動きを整える整動鍼®を用いています。刺激量を細かく調整しやすいことは、妊娠中のように「控えめに、でも確かに」というさじ加減が求められる場面では特に大切だと感じています。
妊娠中に多くいただくお悩み
つわり・胃のむかつき
妊娠初期に多いのが、つわりや食欲の落ち込み、胃のあたりの重さです。薬に頼りにくい時期でもあるため、体の外側からできるケアの選択肢として関心を寄せていただくことが増えました。お腹まわりに直接触れなくても、手足や背中からアプローチできる方法があります。胃の不調全般については機能性ディスペプシア(胃の不調)のページもご参考ください。
腰痛・肩こり・足のむくみ
お腹が大きくなるにつれて重心が変わり、腰や背中に負担がかかりやすくなります。同じ姿勢が続くことで肩や首がこわばったり、夕方に足がむくんだりすることもよくご相談いただきます。
眠れない・気持ちが落ち着かない
体の変化に加えて、出産や育児への不安が重なると、寝つきや気分に影響が出ることがあります。こうした揺らぎは自律神経のはたらきとも関わりが深いといわれています。詳しくは自律神経の不調のページでもご紹介しています。
当院が妊娠中の方に対して心がけていること
うつ伏せにならなくても受けられる体勢をご用意しています。横向きや、上半身を少し起こした姿勢など、そのときいちばん楽な形を一緒に探します。お腹に直接触れる施術は行いませんし、妊娠週数や当日の体調に合わせて刺激は控えめに調整します。
「今日はここまでにしておきましょう」とお伝えする日もあります。無理に進めないことも施術のうちだと考えています。当日の進め方は施術の流れのページでもご確認いただけます。
先にご相談いただきたいケース
次のような場合は、施術の前に必ずお知らせください。妊娠初期(特に12週未満)でご不安があるとき、出血やお腹の張りがあるとき、医師から安静の指示が出ているときです。
お体の安全がなによりも優先されます。状況によっては「今回は見送りましょう」とお伝えすることもありますし、かかりつけの医療機関の判断を優先していただくようお願いすることもあります。臨床歴7年・延べ10,000件超のなかで、そう判断した場面は決して少なくありません。
まとめ
妊娠中でも鍼灸は受けていただけますが、大切なのは「受けられるかどうか」よりも「どう受けるか」です。体勢を選べること、刺激を調整できること、そして遠慮なく途中で「やめておきたい」と言える関係であること。その3つが揃っていれば、妊娠中のケアはぐっと安心できるものになると考えています。
不安があるのは当たり前のことです。気になることは、どんな小さなことでもそのままお聞かせください。初回によくいただくご質問はよくあるご質問にもまとめています。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。
