出雲市の山岡鍼灸院院長・古瀬が解説します。夏でもエアコンの効いた部屋にいると手足が冷たくなる。冬は布団に入っても足先がなかなか温まらない。「昔からこうだから、体質なんだろうな」と、半分あきらめたまま過ごしている方は少なくありません。
たしかに、生まれつき冷えを感じやすい方はいます。ただ、冷えのすべてが体質だけで決まるとは限りません。今回は、冷えの背景にあるといわれるものと、毎日の暮らしでできる工夫についてお話しします。
「冷え性」はどんな状態?
冷え性は、周りの人がそれほど寒がっていない環境でも、手足やお腹などを冷たく感じやすい状態を指すことが多い言葉です。病名というより、体の状態をあらわす言葉と考えるとわかりやすいでしょう。
感じ方は人それぞれです。手足の先が冷たい方もいれば、手足は温かいのにお腹だけが冷える方、足は冷たいのに顔はほてる方もいます。
冷えの背景にあるといわれるもの
血のめぐり
体の熱は、血液にのって全身に運ばれます。長時間同じ姿勢でいることや運動不足が続くと、手足の先まで温かさが届きにくくなることがあります。
筋肉の量
筋肉は、体の熱を生み出す大切な場所のひとつです。歩く機会が減ったり、年齢を重ねて筋肉が減ったりすると、熱をつくる力も小さくなりやすいといわれています。
ストレスと自律神経
血管を縮めたりゆるめたりして体温を調節しているのは、自律神経です。緊張が続くと手足の血管が縮みやすくなるため、大事な場面の前に指先が冷たくなる経験がある方もいるかもしれません。気温差の大きい環境に長くいることも、この調節の負担になると考えられています。
胃腸の働きと食事
食事をとると、消化や吸収にともなって体の中で熱が生まれます。胃もたれや食欲不振が続いて食事の量が減ると、体を温める材料そのものが足りなくなることがあります。冷えと胃腸の不調を同時に感じている方が、ご相談の中にも少なくありません。
こうした要因は、ひとつだけとは限らず、いくつか重なっていることも多いものです。だからこそ「体質だから」でひとくくりにせず、自分の暮らしをふり返ってみる価値があります。
今日からできる小さな工夫
全部やる必要はありません。続けられそうなものをひとつ選んでみてください。
- デスクワークの合間に、足首をゆっくり回す、かかとの上げ下げをする
- 首・手首・足首を冷やさないよう、スカーフやレッグウォーマーを使う
- 時間のある日は、シャワーだけで済ませず湯船につかる
- 朝食を抜かず、温かい汁ものや飲みものを一品添える
お風呂に入れない夜の工夫は足湯とくつ下で眠りを整える方法に、手足の冷えと自律神経の関係はセルフチェック8項目の記事にまとめています。あわせてお読みください。
鍼灸という選択肢
当院では、冷えだけを切り取るのではなく、胃腸の調子や睡眠、生活のリズムなどもお聞きしたうえで、体全体の状態に働きかけることを目指しています。整動鍼®という考え方にもとづき、少ない鍼で対応します。臨床歴7年・延べ10,000件超の経験の中でも、冷えは胃腸や自律神経のお悩みと一緒に話題にのぼることの多いテーマです。感じ方や変化には個人差がありますが、ひとつの選択肢として知っておいていただければと思います。
医療機関へのご相談が必要な場合
冷えの中には、甲状腺の働きの低下や貧血、血管の病気などが関わっているものもあります。急に冷えが強くなった、片方の手足だけが極端に冷たい、皮膚の色が変わる、歩くと足が痛む、強いだるさや体重の変化をともなう、といった場合は、早めに医療機関にご相談ください。
冷えは、体が今の状態を教えてくれているサインなのかもしれません。今すぐ何かを決める必要はありません。「そういえば、あの記事に書いてあったな」と思い出したときに、気になる方は無理のない範囲で声をかけてください。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。

