こんにちは。出雲市の鍼灸院・山岡鍼灸院、院長の古瀬です。
当院では、肩こりや腰の不調でお越しの方にも、施術の前にお腹を触らせていただくことがあります。すると初めての方から、よくこんなご質問をいただきます。
「お腹を触って、何がわかるんですか?」
今日はこのご質問にお答えしながら、当院が大切にしている「腹診(ふくしん)」についてお話しします。
腹診とは──お腹から体の状態を読み取る、東洋医学の方法
腹診とは、お腹にやさしく手を当てて、体の状態を読み取る東洋医学の方法です。強く押したり、痛いことをしたりはしません。手のひらでそっと触れる程度です。
東洋医学では昔から、「お腹には全身の状態が表れやすい」と考えられてきました。胃腸の調子はもちろん、ストレスや疲れ、緊張といった目に見えにくいものの手がかりも、お腹に出やすいとされています。
当院は「整動鍼®・腹診・自律神経」を3つの柱にしています。その中でも腹診は、施術の方針を決めるうえで欠かせない、いわば「体との対話の入り口」です。
腹診でみている3つのこと
では実際に、私がお腹に触れるとき、何をみているのか。大きく3つあります。
1. 張り・かたさ
みぞおちやお腹まわりが張っていないか、かたくなっていないか。緊張やストレスが続いている方は、みぞおちのあたりがかたくなっていることが多い、というのが日々の施術での実感です。ご自身では気づいておらず、「言われてみれば…」と驚かれる方もよくいらっしゃいます。
2. 温度(冷え)
おへその周りやお腹の下のほうが冷えていないか。手を当てると、部分的にひんやりしていることがあります。冷えている場所がどこかも、体からのサインの一つとして参考にしています。
3. 施術前後の変化
これが腹診のいちばん大切な役割だと、私は考えています。施術の前と後で、お腹の張りやかたさがどう変わったかを確かめる。つまり腹診は「答え合わせ」でもあるのです。
感覚だけに頼らず、お腹という「体の声」で施術を確認しながら進める。だから少ない鍼でも、一人ひとりに合わせて丁寧に組み立てることができます。
肩こりや腰の不調でも、お腹をみる理由
「胃腸の調子が悪いわけではないのに、どうしてお腹?」と思われるかもしれません。
体は、部分ごとにバラバラに動いているわけではありません。たとえば強い緊張が続くと、胸がドキドキしたり、食欲が落ちたりすることがあります。これは自律神経が、内臓の働きや血流、筋肉の緊張などを幅広く調整しているためと考えられています。
つまり、肩や腰のつらさと、お腹の状態が、根っこのところでつながっていることがあるのです。当院の整動鍼®は、ツボとツボの連動を使って、少ない鍼で体を整えていく施術です。その出発点として、お腹から全身の状態を読み取る腹診が大切な手がかりになります。
「検査では異常なし」と言われたお腹の不調にも
胃もたれや食欲不振が続くのに、検査では異常が見つからない――そんなお悩みでお越しになる方も少なくありません。こうした「数値には表れにくい不調」こそ、お腹に手がかりが表れていることがある、というのが私の実感です。
お腹の不調そのものについては、こちらの記事でもくわしくお話ししています。
なお、激しい腹痛や血便、急な体重減少などがある場合は、まず医療機関の受診をおすすめします。鍼灸は、医療機関での検査や治療に代わるものではありません。
まとめ
- 腹診は、お腹にやさしく手を当てて体の状態を読み取る、東洋医学の方法です
- 当院では「張り・かたさ」「温度」「施術前後の変化」の3つをみています
- お腹は全身とつながっているため、肩こりや腰の不調でも大切な手がかりになります
腹診は、そっと触れる程度のやさしいものです。「お腹を触られるのはちょっと緊張する」という方も、どうぞ安心してお越しください。
参考資料
※本記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
同じお悩みでお困りの方へ
出雲市の山岡鍼灸院では、胃腸・自律神経の不調に特化した整動鍼®施術を行っています。
